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2020年にセンター試験が廃止!

グローバル社会で「奴隷」にならない

ための教育、そして学びとは?

 2020年、日本の教育が大きく変わる。文科省は「グローバル社会を生き抜くために」をキーワードに学校教育の改革に乗り出し、より自立学習を重んじたカリキュラムに変更。センター試験は廃止され、大学入試の問題もこれまでの穴埋め式から記述式が増えるらしい。この改革で日本の教育はどう変わるのか? 文学部教育学科の菱刈晃夫教授に聞いた。

 「よく考えられたカリキュラムで、狙い通りに実現すれば子どもたちの資質や能力は向上するかもしれません。問題は教員の数が絶対的に不足していること。カリキュラム変更によって教員への負担はさらに増加することです。すでにアクティブラーニングが導入されているドイツの場合、一人の教員に対して生徒は15人ほどです。現状でも教員にゆとりがない日本では、厳しい目標だと言わざるを得ません」。そんな現状を文科省も知らないわけではないだろう。それでも導入を決めたのは、日本企業が世界で苦戦しているからだ。スティーブ・ジョブズのような人材を育てる教育を目指し改革に踏み切った。

 「教育に過剰な期待をしてはいけません。学校教育で国民の能力を劇的に変えるなんて幻想です。そもそも教育には“洗脳”と“覚醒”という2つの側面があります。洗脳された人は、教え込まれた社会規範や価値観を疑うことなく刷り込まれ(いつしか)奴隷となり、対して覚醒した人は何事も自分で考え、ルールや枠組みそのものを疑問視する。学校教育には収まりません。もちろんイノベーションを起こす人は後者です。しかし日本は文化的背景を考えても、同調圧力が非常に強い。協調性を重んじるムラ社会的発想は相変わらず。そのため、洗脳型が育ちやすいし、またそのほうが生きていくうえで楽です。“主体的・対話的で深い学び”というのも、いかにも日本的で曖昧かつ抽象的な言葉ですね」。

 では、覚醒するにはどうしたらいいのだろうか? 「暇、つまり本当の自由時間を作ること。その暇つぶしをメディアに頼らずに自分で考えてみる。そして遊ぶこと!! 空気を読まずに本を読め!! スマホのゲームや友人とのラインだけではムラ社会から脱けきれず、頭の中は感覚的な刺激で散らかったまま。まんまとメディアの奴隷となり『罠』にはまってしまいます」。

※この記事はウゴパン47号(2017年12月14日発行)に掲載されたものです。

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子どもの自主的な学びや集団心理からの自立を促す「アクティブラーニング」。その実現は確かに有意義だ。しかし、それに伴う教員の負担増や教員の能力が議論されることは少ない。「現場が対応できるのか?」が今後の課題だが、同時に、学校教育ではどうにもならない日本の文化的背景にも目を向けたい。

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菱刈 晃夫 教授

国士舘大学文学部教育学科教授。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。専門分野は教育学、教育思想史、道徳教育。著書に『習慣の教育学――思想・歴史・実践』(単著)、『メランヒトンとその時代』(単訳)など。

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