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「選挙権は18歳から」へ法改正――

若者の選挙行動ははたして日本を変えるのか?

 アラハタ世代に直接関わる、重大な法改正が'15年6月に可決された。選挙権年齢を現在の20歳以上から18歳以上に引き下げる公職選挙法の改正だ。この選挙法改正について、政経学部政治学科の中金聡教授に聞いてみた。まず、今回の法改正は何が目的なのか。また、なぜこのタイミングで行われたのだろうか。

 「直接には、'07年に制定された国民投票法で投票年齢を18歳以上としたことに合わせるためです。国際標準となっている18歳以上にすれば、政治も若年層の利益を考慮した政策を積極的に推進せざるをえなくなります。若年層の声を政治に反映させることが最大の目的です。なぜ今なのかに関しては、社会保障費の大半を占める高齢者医療費や、財源不足が深刻化している年金支出を抑制するために、政府は若い世代の支持がほしい、という意見もあります。しかし現役世代の社会保障費負担増をやむをえないとする傾向は、むしろ若い世代ほど強く、世代間格差も日本はさほど大きいとは言えません。いずれにせよ、このたびの選挙権年齢の引き下げは若い人々が政治を身近なものに感じる好機だと思います」。

 若者の声を政治に反映させるのが目的、とはいえ、そもそも若者は選挙に行くのだろうか? さらには18歳の若者が自立した政治判断を持てるか、という不安の声もあるが……。

 「政治に意見したい、今の政治を変えたい、と願う人は、若い世代にもいます。確かに、現在の選挙では若年層ほど政治に無関心で、投票率が低くなっているのが事実です。60歳以上のおよそ4人に3人が投票するのに、20~24歳ではおよそ3人に1人しか投票しません。しかし、それは現在の複雑で非効率な選挙制度にも原因があります。少なくとも“1票の格差”の是正をはじめ、より公正な選挙制度を整備したうえで、投票の意義を教育により周知させる努力が求められます。

 代表制は国民の意見の分布を国会の議席に忠実に反映させようとする制度です。しかし政治家たちが、政治に無知な若い世代は“操りやすい”と考えて、選挙権年齢を引き下げようとしているのなら、見当違いもはなはだしい。若年層の、特に“しがらみ”のない学生の“個”の声を結集すれば、政治を変える大きな力になるのです」。

※この記事はウゴパン41号(2015年12月14日発行)に掲載されたものです。

18歳以上が投票できる最初の選挙は2016年夏の参院選から。若年層の投票率がすこぶる悪い日本だが、そんな中でも「今の政治を変えたい!」という若者は少なくない。まずは投票に足を運ぶことからはじめてみよう。

中金 聡 教授

中金 聡 教授

国士舘大学政経学部政治学科教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。専門は政治学・政治思想史。著書に「政治の生理学—必要悪のアートと論理」、「オークショットの政治哲学」など。

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