ウゴパンとは? ウゴパンのバックナンバー ウゴパンのニュース記事をピックアップ こくしかん人図鑑 ウゴパンの設置場所 ウゴパンに関するお問い合わせ 国士舘大学ホームページ

HOMENEWS INDEX→ARTICLE

ウゴパンに掲載された話題のニュース記事をピックアップして公開!

2040年には地方自治体の半数が消滅――

観光産業は地方を救えるのか?

 地方が消滅するかもしれない――2040年には全国の約半数に及ぶ896の自治体がなくなる可能性があるという。少子高齢化が大きな原因だとされているが、地方消滅を食い止める方法はないのだろうか。政経学部政治学科の石見豊教授に聞いてみた。

 「少子高齢化という時代の流れを食い止めるのは難しいでしょう。今後爆発的に人口が増えるとも考えづらいし、将来的に地方都市が消滅する可能性は否めません。しかし、それはあくまで国勢調査という数値やデータによるものです。地方都市が生き残るためには、様々な方法があると考えています。個人的に注目しているのが観光です」。

 近年、日本では外国人観光客が増加の一途を辿っている。'14年の外国人観光客数は前年比約30%増にもなる1341万人。外国人が旅行中に使った金額は、2兆278億円にものぼり、いずれも過去最高の数値を更新した。こうした観光による経済効果が地方都市に与える影響は大きい。

 「ところが、デービッド・アトキンソン氏などの外国人アナリストの指摘を参考にすると、日本の観光サービスはまだまだ努力が足りていません。京都の二条城には外国語による案内板すらなく、外国人が訪れてもどんなお城なのかを知るすべすらありません。対して、フランスのルーブル美術館では11ヵ国語を話すナビゲーターを用意するなど、外国人観光客に向けたサービスが徹底されています。実は日本こそ“おもてなし”がまったくなっていないのです。政府は交通の利便性や治安の良さを観光のセールスポイントにしていますが、見当違いもはなはだしい。政府はあてになりませんから、各自治体が自発的に外国人向けのサービスに取り組むことが重要です」。

 例えば、岐阜県白川村にある世界遺産・白川郷は人口が1700人ほどであるのに対し、年間の外国人宿泊者数は1万6千人にものぼる。WiFiなどの通信環境整備やパンフレットを8ヵ国語にするなどの努力を重ねて、過疎地でありながらも一大観光地として世界的に注目を浴びている。「日本全国にはまだ外国人に知られていない観光資源がたくさんあるので、無限の可能性を秘めていると言えるでしょう。どんなに人口が減っても観光によって活性化すれば、地方は生き残っていける。そのためには自治体や住民が自らの

力で積極的な行動に移すことが大事なのです」。

※この記事はウゴパン40号(2015年9月28日発行)に掲載されたものです。

白川郷,地方自治体,観光産業,インバウンド,地方再生

世界遺産に登録されてから、村全体が一丸となって活性化を図っている白川郷。SNS利用者に向けた通信環境の充実、企業との連携などで観光客のニーズとトレンドに応じたサービスを展開している。住民の知恵によって、「消滅する予定の地方」だって再生できるのだ。

石見 豊  教授

国士舘大学政経学部政治学科教授。東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了。博士(情報科学)。専門は行政学、地方自治など。著書に『英国の分権改革とリージョナリズム』、『戦後日本の地方分権—その論議を中心に』など。

国士舘大学政経学部のページへ

© 2015-2017 Kokushikan University, All Rights Reserved.