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多様化するアイドル文化――

インターネットとの意外な関係とは?

 メジャーアイドルのブームは落ち着きつつあるものの、一方で新しいアイドルたちが続々とデビュー。その音楽性やキャラクターは、ますます多様化している。例えば、メタルロックを歌うアイドル『BABY METAL』は欧米ライブで成功を収め、国内外から賞賛の声が絶えない。アイドルは、今やカワイイだけではない別次元の存在になりつつあるのだ。アイドル好きで有名(?)な文学部文学科の中村一夫教授は、最近のアイドル事情をこう分析する。

 「近年デビューするアイドルは、地道な活動を続け、段階的にメジャーへと成長するという点で'80年代のアイドルとは異なります。今夏に行なわれた『東京アイドルフェスティバル2014』では、138組のアイドルが登場しましたが、そのほとんどが大手マスコミに取り上げられたことのないアイドルでした。にもかかわらず各グループに一定数のファンがいる。こうしたファンたちは、主にSNSや掲示板などのクチコミを利用して、無数のアイドルの中から自分好みのグループを見つけています。昨今のアイドル事情は、インターネットの浸透と切り離せない関係にあるのです」。

 また、ファンの意識も'80年代とは異なってきているという。「かつてのファンは、一人や特定のグループだけを応援していましたが、最近のファンは複数の“推し”がいる『DD(誰でも大好き)』が珍しいものではなくなり、周囲のファンから批難を浴びることもありません。彼らは他人の趣味や価値観について寛容です。プラス面もありますが、他人に対して無関心だとも考えられるでしょう。例えば、近年のファンはSNS上で専門のコミュニティに参加しているのですが、ライブ会場でもハンドルネームで呼び合い、プライベートな話題はほとんど話しません。また、対象となるアイドルへの関心を失うと、あっさり『他界(推しをやめる)』し、コミュニティからも静かに消えるのです」。

 インターネットでは、無数の情報から自分の好きな情報だけを選び、不要な情報は遮断できる。それはSNS上のコミュニティでも同様で、「来る者は拒まず、去る者は追わない」。こうしたネット上での振る舞いが、リアルな人間関係のあり方をも変えているのだろう。近年のアイドル事情は、特に若者達の中で表裏一体となった「寛容と無関心」を表しているのかもしれない。

※この記事はウゴパン37号(2014年12月15日発行)に掲載されたものです。

アイドル,多様化,インターネット

Twitterなどでは裏アカでアイドルを応援することが多い。身近な人が同じ“推し”でも、まったくそれに気づかないなんてこともある。現在のアイドル事情はインターネットを通じたドライな人間関係を象徴している。

中村一夫

中村 一夫 教授

国士舘大学文学部文学科教授。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門分野は日本語学(平安・鎌倉時代)。著書に『源氏物語の本文と表現』(単著)、『日本文学どっとコム』(共著)など。推しは「BELLRING少女ハート」。

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