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これを知らなきゃ憲法改正論議がわからない――

憲法改正はなぜ96条から?

 第2次安倍政権の誕生以来、憲法改正に関するニュースを聞く機会が多くなった。産経新聞社とFNNの合同世論調査では、憲法改正の反対派が47%、賛成派が38%。国民の意見が2つに分かれている。でも、具体的に憲法改正の何が問題なのだろう。政経学部政治学科の中金聡教授に聞いてみた。

 「まずは、憲法改正の仕組みについておさらいしましょう。日本国憲法を改正するためには厳しいハードルが定められています。衆参両院議員の3分の2で発議されたのち、国民投票によって過半数の賛成を得なければなりません。日本は政党が多いですから、そもそも衆参両院での承認を得ることが難しい。そのうえ有権者の過半数の賛成ですから、不可能に近いのです。こうした憲法改正のルールを定めているのが憲法96条。つまり、憲法を改正しやすくするためには、96条の厳しいルールを緩和しなければなりません。そのため、安倍政権はまず96条の改正を狙っているのです」。

 もし96条が改正されると、その先に何が起こるのだろう。反対派と賛成派で大きく意見が分かれる理由はそこにある。

 「96条のルールが緩和されると、戦争放棄をうたう憲法9条も改正される可能性があります。日本人は敗戦経験から、戦争に対してネガティブな感情を抱いています。それに対し、安倍政権は集団的自衛権の行使を認める閣議決定をし、自衛隊の活動範囲を広げようとしている。このたびの改正要件緩和案も、主として憲法9条の改正を視野に入れたものだと考えられるのです。個人的には、日本の憲法は世界的に見ても進歩的だと考えています。思想や信教の自由をこれだけ憲法で認めている国は他に見当たらない。また、誤解されがちですが憲法は法律ではありません。英語の「constitution」の原義は「国家の基本構造」で、日本という国のあり方を内外に示した文書のことです。ですから憲法の改正は、国家構造を変えるという意味で革命に近い性格を持っています。慎重に議論されて当然でしょう」。

 国民投票の有権者は18歳以上。ウゴパン世代も投票権を持つことになる。仮に憲法改正の国民投票が行なわれる時、日本がどんな国であるべきかを自分なりにしっかりと考えて投票してほしい。

※この記事はウゴパン36号(2014年10月30日発行)に掲載されたものです。

憲法改正,96条

いつもボケてばかりのマーくんがわかりやすく解説!? 憲法96条は「憲法改正の国民投票をするためには衆参両院議員の3分の2の賛成が必要」というもの。この96条を改正して国民投票へのハードルを低くしよう、というのが安倍政権の狙いだ。

中金聡教授

中金 聡 教授

国士舘大学政経学部政治学科教授。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。専門は政治学・政治思想史。著書に「政治の生理学—必要悪のアートと論理」、「オークショットの政治哲学」など。

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