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日本が戦争に巻き込まれる可能性も!?

戦後日本の大転換「集団的自衛権」のホントウ。

 最近、ニュースでよく耳にする集団的自衛権。全国各地で行われる反対派のデモで、「日本を戦争のできる国にするな!」なんて物騒な声も聞こえてくる。いったい何が起きているのか、政経学部政治学科の佐藤圭一教授に直撃した。

 「実は、日本が戦争に巻き込まれるというのは突拍子もない話です。そもそも集団的自衛権というのは、“日本という国を守るための権利”のことで、戦争をできるようにする権利ではありません。同盟や貿易などで関係の深い国が武力攻撃を受けた時、日本も自衛隊を使って、必要最小限の実力を行使する権利なのです」。例えば日本の周辺国で争いが起きた時、現地の日本人を救うために米国や近隣諸国と協力して自衛隊も武力を使えるようにしよう、ということ。この例のように集団的自衛権を使う条件は、国民や国家が危機に直面した場合に限られている。それでも反対派の声が根強いのはなぜだろう。

 「日本は太平洋戦争で悲惨な経験をしていますから、戦後から現在に至るまで平和について、世界史的にも稀な幻想の中に我が身を置き続けてきました。そのため、集団的自衛権についても拒絶反応を持つ人が多いのでしょう。しかし、現在の国際情勢では、日本が平和であり続けるためにも集団的自衛権は必要です。

 最大の問題点は、日本が攻められた時に日米安保条約によって米国が助けてくれると誤解している日本人が多いこと。しかし、米国はあくまで自国の憲法上の規定及び手続に従って行動します(日米安保第5条)。連邦議会が拒否すれば米軍撤退以外に選択肢は認められていません。実は、安保条約には、両国のどちらか一方が辞めると言っただけで1年後には条約を解除できることが書かれています(同第10条)。

 仮に米軍が日米安保条約を遵守して、日本のために血を流し、日本の自衛隊が犠牲を払わないという事態が起これば、米国内に日米同盟反対世論が沸騰し、それにより安保条約の解除が現実問題として浮上しかねません。米国は国民の意思が国策に直結する国です。そうなると日本は北朝鮮や中国などの脅威に自国だけで立ち向かわなければならなくなるのです。これこそが、“今、そこにある日本の危機”ではないでしょうか。戦争を回避するためにも集団的自衛権の行使を明確化することが必要なのです」。

※この記事はウゴパン35号(2014年9月29日発行)に掲載されたものです。

集団的自衛権

集団的自衛権を簡単に説明すると、「日本が危機に直面した時に同盟国や近隣諸国と協力して自衛隊が武力を使えるようにする」こと。これまでは同盟国が日本のために戦闘していても、日本が直接攻撃を受けない限り、武力を使うことができない個別的自衛権のみだった。

佐藤 圭一 教授

国士舘大学大学院政治学研究科科長。国士舘大学政経学部政治学科教授。国士舘大学大学院博士課程修了。博士(政治学)。専門分野はアメリカ政治史、アメリカの政治制度。著書(単著)に『米国政教関係の諸相』など。

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