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和食がユネスコの無形文化遺産に――

カルフォルニア巻きは果たして和食なのか?

 昨年12月、和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、国内外で注目を集めている。和食が認められたことは喜ばしいけど、いったい何の料理が無形文化遺産に登録されたのだろう? 世界の食文化に詳しい21世紀アジア学部21世紀アジア学科の原田信男教授に聞いた。

 「今回登録されたのは、寿司や天ぷらといった個別の品目ではなく、和食という日本の食文化です。季節による旬や地産の素材を大切にし、お祭りなどの年中行事の際、食を共有するといった日本独特の慣習そのものが評価されたのです」。和食について漠然としたイメージはあるけど、「和食って何?」と聞かれると答えられる人は少ないだろう。日本人としてはぜひとも知っておきたいところだ。

 「和食は、弥生時代から受け継がれてきたコメを中心とした食文化です。時代によって形式は異なりますが、現在和食と考えられるものの土台は、室町から戦国時代に成立した本膳料理と懐石料理にあります。例えば、無形文化遺産に登録された理由の一つに『一汁三菜』の食習慣が挙げられていますが、この考え方は先に述べた本膳料理と懐石料理に見られる作法です。どちらも、客人に対する“もてなし”と“しつらえ”を考慮して振る舞われました。

 こうした本膳料理や懐石料理は本来、名家の秘伝でした。しかし、江戸時代に入ると産業と出版の発達によって、これらの楽しみ方が一般に広がり、料理屋などでより庶民的にアレンジされました。この時代には屋台も登場して、寿司や蒲焼きなども誕生しています。庶民たちの食に対する創造力によって、和食は大きな広がりを見せたのです。

 その姿勢は後世にも受け継がれ、カレーライスやラーメンなども独自の料理になりました。このように日本人の手が加えられた料理は広い意味で和食であると、私は考えています。カリフォルニア巻きも日本の太巻きが原型ですから、準和食と呼んでいいでしょう。和食は文化ですから、時代や場所によって大きく変化するのです」。

 現在、海外にある日本食レストランは5万5千店以上。7ヵ国を対象に行なわれたアンケート調査でも、和食は好きな外国料理1位に選ばれた。世界に広がった和食が、日本の食文化に根差したものになれば、今回の無形文化遺産登録にも大きな意味があるのだろう。

※この記事はウゴパン35号(2014年9月29日発行)に掲載されたものです。

和食,無形文化遺産

江戸時代以降、多様にアレンジされてきたのが和食。それを文化と捉えるなら、カレーライスやラーメンも和食と言える。イラストの例はいきすぎだが、そういう意味では海外で見かけるアレンジ和食も「準和食」として考えられるのかも。

原田 信男 教授

国士舘大学21世紀アジア学部21世紀アジア学科教授。国士舘大学大学院グローバルアジア研究科博士課程修了。専門分野は日本生活文化史、日本文化論。著書(単著)に『和食とはなにか?』、『食をうたう—詩歌にみる人生の味わい』など。

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