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相次ぐ教育現場での体罰問題――

体罰は「絶対禁止」なのか?

 昨年12月、大阪市立桜宮高校のバスケ部主将が自殺した。体罰が原因だったという。メディアはこぞって取りあげ、「体罰」が注目を浴びることになった。文学部教育学科の片山紀子准教授に話を聞いた。

 「体罰というのは、教育的な名目をもって、肉体的な苦痛を与える罰のこと。具体的には殴る蹴る、過度に正座をさせたり走らせたりと、いろいろありますが、線引きは曖昧で、ケースバイケースで判断することになります。それに文化の問題もありますね。特に運動部では訓練なのか体罰なのかが微妙です。部活での体罰は、これまで文化として許されてきましたから。桜宮高校の事件は、最後まで残っていた部活動での体罰にメスが入ることになりました」。確かに運動系の部活動で、どこまでが体罰なのかを判断するのは難しい。「エラーしたからグラウンド10周!」は体罰なのか? 体力を向上させるための体づくりの一環と言えなくもない。

 「体罰のメリットは即効性があること。すぐ効くし、見せしめ効果もある。でも、そこに信頼関係がなければ、生徒はひどく傷つきます。教師と生徒は、教師が思うほど強い絆で結ばれているケースは少ないんです。だから、生徒が精神的に病んだり、不登校になったり、最悪の場合は自殺に走る可能性もあります」。

 体罰には一貫して反対する片山准教授だが懲戒は必要だという。懲戒とは肉体的な苦痛を与えずに生徒にペナルティを課すことだ。「現在、義務教育段階での懲戒はあまりありません。停学と退学はない。でも諸外国ではあるんですね。私は義務教育期間でも、登校させながら別の部屋で過ごさせる“学内停学”などを設けるべきだと思います。違うプログラムを用意して叱る方法です。このような懲戒のプロブラムをもっと整備して導入すべきでしょう」。

 しかし、中には素直でない生徒もいるのではないだろうか? 「それでも手をあげるべきではありません。そういう場合は待つことが必要です。理解できる時期が来るのを待つ。繰り返し繰り返し言って聞かせる。一度ではなく、何度でも繰り返すことです」。人を育てるというのは時間がかかる。体罰の即効性に頼るのではなく、待つことが教育現場で必要とされているのかもしれない。

※この記事はウゴパン31号(2013年10月31日発行)に掲載されたものです。

体罰

文科省によると、懲戒とは注意、叱責、居残り、別室指導、起立、宿題、清掃、学校当番の割当て、文書指導とされているが、体罰との境目が曖昧な部分もある。この懲戒プログラムを整備することが今後の課題なのだろう。

片山紀子

片山 紀子 准教授

国士舘大学文学部教育学科教育学専攻准教授。奈良女子大学大学院博士課程修了。博士(文学)。専門は生徒指導・比較教育。著書に『学校がみえる教職論』(共著)、『入門—生徒指導』(単著)など。

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